ダン・シモンズ-重力から逃れて

重力から逃れて
アポロ計画で月に降り立った宇宙飛行士の一人であるが、年老い典型的な中年ぶとりと体力の衰えを隠せない主人公。勤めていた軍需系の会社をやめたのはいいが、妻とは離婚、息子はインドで怪しげな宗教に熱中し、アポロ計画に参加し共に月を目指したかつての同僚はキリスト教のテレビ伝道師や議員になっていて・・・・というお話。


まだ若者の僕としては「中年の心の綾」なんてものを描き出されてもどう反応して良いのか困るばかりだが、流石はダン・シモンズ
巧みな構成と筆力でそれなりには読ませてくれる。
けれども中年云々以前に「重力から逃れて」はアメリカの作家が書いたアメリカの小説だ。
日本人の僕にはアメリカの地理もアメリカ的な家族愛も主人公たちがアメリカの宇宙計画に抱く屈折した思いも、おぼろげながらにしか理解できない。
そこら辺の感覚はどうしようもないものだ。
☆☆☆