谷甲州-終わりなき索敵

終わりなき索敵〈上〉 [航空宇宙軍史] (ハヤカワ文庫JA 569)終わりなき索敵〈下〉 (ハヤカワ文庫JA―航空宇宙軍史 570)

2020年代、地球からの自由を求めて勃発した第一次惑星動乱を、航空宇宙軍は圧倒的な力で鎮圧した。それから11年後、射手座方向から太陽系にむかって急接近してくる物体があった。射手座重力波源と呼ばれるこの飛行物を観測するため、航空宇宙軍は人類初の外宇宙観測艦ユリシーズを探査に向かわせるが…乗員たちが見たのは、汎銀河連合により滅亡の道をたどる人類の姿だった。航空宇宙軍史最大のクライマックスが始まる。

谷甲州の航空宇宙軍史を総括する傑作。
Wikipediaの「超光速航法」にも掲載されている独自の超光速航法が面白い。
そしてそれから生ずる情報の混乱って話は神林長平に通ずるところもある。
両者の小説のアプローチに対する違いは谷甲州神林長平よりも仏教思想に傾倒してるってとこだろうか。
事実、谷甲州の「天を越える旅人」なんて岳人に載ってたにもかかわらずハードな仏教SFを展開したりしてる。
他に仏教SFっていったら夢枕獏上弦の月を喰べる獅子」山田正紀弥勒戦争」ぐらいしかないんじゃなろうか。


谷甲州が相当にユニークですごい作家だということは間違いない。
☆☆☆☆