ジャック・フィニイ-ゲイルズバーグの春を愛す

ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26)
短編集。
表題作をはじめ、ノスタルジックな短編が多いですね。
「ゲイルズバーグの春を愛す」と「愛の手紙」は傑作です。


個人的に僕が気に入ったのは「悪の魔力」。
助べえな主人公が女性を奴隷にできる腕輪を手に入れて―というお話なのだが、この主人公の行動がすごい。
腕輪を手に入れたらすぐさまこんな具合ですよ。

「きみはもう僕の奴隷だ。 ぼくにキスするんだ、この気ちがいの馬鹿女が!」
「キスしろ。おまえは僕の奴隷だぞ」」
「黙ってもう一度キスするんだ」

まるで一昔前のエロ漫画の文句じゃないですか。
ポール・バーホーベンの映画だったら主役級の馬鹿ですよ、こいつは。
☆☆☆☆