オラフ・ステープルドン-シリウス

シリウス (ハヤカワ文庫 SF 191)

天才生理学者トレローンの高等動物の脳に関する研究は、ついに恐るべき創造を――神にしてなしうる業績をあげた。シリウスと名づけられたその犬は、人間に匹敵する知能を有し、しかも同じような情緒と感受性を持ち合わせていた。だが皮肉なことにこの業績によって、彼の娘は悲劇の淵に突き落とされてしまう!

海外のポルノにはinterracial*1と称されるジャンルがあると聞き、どんなもんかと覗いてみたところ黒人♂と白人♀が海外ポルノ特有のヘンテコミュージックを垂れ流しながらまぐわっているだけのものでかなり辟易すると同時に、向こうのほうの掲示板で「interracialなんてbestiality*2みたいなもんだぜ!」というニグロフォビア全開のKKK的書き込みを見かけてやっぱ向こうの人たちとは覚悟の量が違うなと痛感した次第であります。

まあそれとは大して関係なくオラフ・ステープルドンの『シリウス』を再読したんですけど、SF小説としてではなく恋愛小説としても優れていると再認識。
ただinterracialとかbestialityをちょこっと見たせいなのか、作中では「魂のつがい」なんて言ったりしてシリウスとプラクシーとの関係を基本的にはプラトニックなものとして描いているわけだけどちょっと倒錯している部分もあったりするんで、そこにキリスト教圏の(一部の)人が持つタブーを破る事に対しての性的倒錯が透けて見えたりしてそりゃ向こうでbestialityが盛んなわけだと思ったりした。
実際こんな話もあるし、タブーを破る事と性的興奮ってのは結びつきやすいもんなんだろうな。
☆☆☆☆

*1:異人種姦のこと

*2:獣姦のこと