ジャック・フィニイ-時の旅人

時の旅人

時を遡り、辻馬車とガス灯のニューヨークへ。『ふりだしに戻る』のサイモンが、二十五年の時を経てよみがえる。彼は第一次大戦タイタニック号の沈没を阻止することができるのか? 失われた鬼才の遺作。

続編だってことを知らずに読んだが十分楽しめたと思う。
とにかくエドマンド・ホワイトの文章に読みつかれた後だったんで、驚くほどすいすい読み進んだ。もちろん内容が面白いってのもあるけどさ。
主人公のサイモンは第一次世界大戦を阻止するため、あの手この手でその難題に挑む。
といってもその本筋にはあまりページが割かれていない。
「時の旅人」で描かれるのは1910年代の世界の姿だ。
実際、本筋なんかおまけみたいな物でジャック・フィニイは1910年代を描きたいがためだけにこの小説を書いたのだろう。
フィニイの巧みなストーリー・テリングもさることながら、豊富使われている当時の写真も楽しい。


これが遺作になってしまったのは本当に残念。
それにしてもこれはたった10年前の本なんだよなあ。時の流れは早い。
☆☆☆☆