フランク・ハーバート-鞭打たれる星

鞭打たれる星 (創元SF文庫)

人類を始めとする知的生物連合は、謎の存在カレバンが提供するジャンプドアなるシステムで星間を自在に移動していた。だがあるとき一体のカレバンが連合の星を訪れ、特命工作員マッキーは恐るべき事実を知る。このカレバンが消滅する時、一度でもジャンプドアを通った生物はすべて死ぬというのだ。《デューン》と並び称される巨匠の傑作。

ジャンプドア・シリーズ第一巻。傑作です。
「文明が急速に進歩しすぎると、その分だけ破滅に近づく」そのために、それを阻止するサボタージュ局があるというアイディアが逸品。
もちろん他のアイディア・設定も良い意味でスペオペっぽい猥雑さを持っていてるし、所々に散りばめられたアフォリズムも楽しい。


あとキャラクターも魅力的。
謎の生物・カレバンであるファニー・メイなんて最高ですよ。マジツンデレ
最初はツンツンどころかファニー・メイに対して主人公はコミュニケーションすらとれません。
しかし、これが急にデレデレ状態に移行していくんですよ。思わず身悶えしてしまうほどの破壊力。もう堪りません。
異種間ツンデレなんてフランク・ハーバートは時代を先取りしすぎちゃったんじゃないかな。


それにもちろんストーリーもすごい。
構成とミスリードの巧みさにころっと騙されてしまいました。まさかあんなオチだとは。
ってかこのタイトルって壮大なネタバレなのな。
☆☆☆☆☆