銀林みのる-鉄塔武蔵野線

鉄塔 武蔵野線 (新潮文庫)

夏休みも半ばを過ぎたある日のこと。5年生の見晴は近所の鉄塔で番号札を見つける。その名は「武蔵野線75‐1」。新発見に胸を躍らせた見晴は、2歳下のアキラを誘い、武蔵野線を遡る。「オレたちは鉄塔を辿っていけば、絶対に秘密の原子力発電所まで行けるんだ」―未知の世界を探検する子供心のときめきを見事に描き出した新・冒険小説。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

ただひたすらに少年が鉄塔を追い求めていくだけの小説。すごい。
どれくらいすごいかってのはここでも見てみて下さい。
荒俣宏高橋源一郎らが絶賛するのも当然ならぐらいすごい。
主人公の他愛も無い、だが真剣な妄想の素晴らしさは、施川ユウキサナギさん巻末コメント「子供っぽい数々の妄想の価値を、大人になってから知った」という言葉にも表されている。
もう一回子供になって鉄塔を追っかけてみてぇー。


たがあのラスト*1はどうかと思う。
良い意味でだが、あれはエドモンド・ハミルトン並みの自己満オナニーじゃなかろうか。
☆☆☆☆☆

*1:変電所の所長が主人公のために首都圏一帯を停電させる