ジョージ・R・R・マーティンのサンドキングズが復刊!
情報が遅いかもしれませんがマーティンの「サンドキングズ」(ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞)が復刊されますね。いやぁ、嬉しい嬉しい。
・グループSNEの安田均のエッセイより引用
そして、なんと今回は、SF評論家・翻訳家だったころに訳したジョージ・R・R・マーティンの『サンドキングズ』が復刊されることになったのだ(早川書房六十周年記念刊行物の一環)。
マーティンといえば、いまでこそホラーやファンタジーのベストセラー大作で名高いが、もともとはSFの有望な若手グループの中核として登場とした作家だ。
ぼくなど大好きで、この短編集『サンドキングズ』や「ナイトフライヤー」を熱心に訳した覚えがある。
ほぼ20年ぶりに読み返してみたが、いいですねえ。ホラー風味の「サンドキングズ」はもちろん読みやすくてお薦めだけど、マーティン節とも呼ぶべき「ストーン・シティ」や、明らかにD&Dの迷宮探索を連想させる「〈蛆〉の館にて」がシブい。「ファスト・フレンド」や「スターレディ」も泣かせる(風見潤さんの訳も2編入っているけれど、もちろんこれもよい)。
マーティンのSFはThousand Worldsといういろんな星々の世界で統一されている。この短編集はそのどれかで起こっていて、いろんな世界を想像するのも空想がふくらむ。できれば、長編『ダイイング・オブ・ザ・ライト(Dying of the Light)』が訳されれば、もっとクリアになって楽しめるのだが……。
でも「〈蛆〉の館にて」もそうだけど、『ワイルドカード』というシェアードワールド・アンソロジーでは、もろにスーパーヒーローものRPGを下敷きにしていた。マーティンはかなりゲーム好きな作家という気がする。
やっぱり70年代のSF作家はいいよ。マーティンとかヴァーリーとかプリーストとか。