ジョン・ヴァーリィ-ブルー・シャンペン

ブルー・シャンペン (ハヤカワ文庫)
へびつかい座ホットライン」などで有名なジョン・ヴァーリィの短編集。ヒューゴー賞ネビュラ賞受賞作も入ってます。
実はヴァーリィを読むのはこれが初めてですが、賞を取ってるだけあって面白いです。
いわゆる"フリークス"を通して世界の軋轢や歪みを描く、ってやり方は少しティム・バートンに似ているかも。
ただヴァーリィの場合はそれをSFの手法で描くんでバートンのそれ(シザーハンズエドワードとか)と比べると現実味が増しています。


例えば「選択の自由」でヴァーリィはクローン技術による完璧な性転換が行われるようになった社会を描き、ある意味でフリークスである"男でありながら女、女でありながら男"という人間を使って過激なジェンダー問題を提示する。
10年以上も前の作品ですが衝撃を受けました。下手なジェンダー論を語る本よりこれを読むことをお勧めします。
他の短編もスマートで面白いですから。
☆☆☆☆