デイヴィッド・ブリン-知性化戦争

知性化戦争〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

内容(「BOOK」データベースより)
人類=イルカ混成チームの探険船〈ストリーカー〉号が、銀河史を解明するうえで重要な証拠を発見したという知らせに全銀河情勢は一変した。五銀河の覇権を虎視耽々と狙う銀河列強が、その秘密をおのがものとして他種族の優位に立つべく激烈な抗争を開始したのだ。辺境の植民惑星ガースにも、その波紋は容赦なく押し寄せてきた―列強諸族のひとつ鳥類型エイリアンのグーブルーが、宇宙艦隊を率いて突如来襲、人類とその僚友ネオ・チンパンジーの暮らすこの星への侵攻作戦を開始したのである。ファン待望の未曽有のSFスペクタクル開幕。ヒューゴー賞受賞。

滅茶苦茶面白かった。
まず<知性化シリーズ>はアイディアがすげぇ。
始祖、知性化、列強主族、類族、ライブラリー・・・etc。どれもこれも壮大かつ刺激的。
特にくだらないスペオペでは何故かアメリカナイズされた普通の人間と変わらない宇宙人が出てきがちだが、これは違う。ブリンが描くグーブルー、ティンプリミー、テナニンといった列強主族たちの人間とは違う思考・生態の異質さ・特異さには参ったの一言。
ストーリー構成も前作「スタータイド・ライジング」より格段に進歩していて、全く隙が無い。そのお陰で、それまでの伏線が一気に収束する第五部「復讐者」のラストはアドレナリンがどばどば分泌されて異様なまでに興奮しちまった。まさかこうくるとは!
それに加えて肝心の「知性化戦争」自体のラストもこれまた素晴らしい。思わずニヤリ。
SF読んでて良かったと真剣に感じ入っちゃう清々しい読後感。
次の知性化シリーズも読まんといけんなぁ。