シミュレーションズ―ヴァーチャル・リアリティ海外SF短篇集

ヴァーチャル・リアリティにを題材にしたSF短編を集めた本。

読んでて感じたが、今ではヴァーチャル・リアリティをSFの主題にするのはきつい。
今はあまりにもその概念が浸透しすぎてい、全く衝撃的などではない。
ニューロマンサーの解説で山岸真

終盤で、ケイスがモリイの視覚をとおして自分の姿をみるシーンは、ちょっと衝撃的だ

と述べているが、僕にはどこが衝撃的なのか全然わからん。
あまりにもヴァーチャル・リアリティという概念に慣れすぎて、驚きも何もない、普通な事としてしか認識できないのかもしれない。
この短編集に収録されている作品にしてもそうで、読んでいてアイディアの面白さ、というよりはその見せ方の面白さのほうが強かった。
特に面白かったのは、
ドッグファイト」(ギブスンの短編の中でもベスト3に入るぐらいに好き)
「ヴァーチャルな死へのガイド」(筒井康隆にも通ずるナンセンスさ)
「幸福な男」(これからマトリックスがパクったのかな?仮想空間のアイディアが全く一緒)
かな。
それと、この本とは全く関係ないけど「ニール・スティーヴンスン」をちょっと編集してみました。
☆☆☆