シミュレーションズ―ヴァーチャル・リアリティ海外SF短篇集
ヴァーチャル・リアリティにを題材にしたSF短編を集めた本。
- 収録作品
- 草原(レイ・ブラッドベリ)
- メモリーバングは引き出し超過(ジョン・ヴァーリー)
- 月を歩く(ジョナサン・レサム)
- ヴァーチャル・リアリティ(マイクル・カンデル)
- ドッグファイト(マイクル・スワンウィック,ウィリアム・ギブスン)
- 輝ける夢の脱出路(M・シェイン・ベル)
- 総合認識渦動装置(ダグラス・アダムス)
- プラグ・イン・ヨセミテ(マーク・レイドロー)
- 死後のいくつかの生(ジョージ・ゼブロウスキー)
- スチールカラー・ワーカー(ヴォンダ・マッキンタイア)
- 凍った旅(フィリップ・K・ディック)
- サイカー昇天(ダニエル・パールマン)
- プリティ・ボーイ・クロスオーヴァー(パット・キャディガン)
- ヴァーチャルな死へのガイド(J・G・バラード)
- 幸福な男(ジェラルド・ペイジ)
読んでて感じたが、今ではヴァーチャル・リアリティをSFの主題にするのはきつい。
今はあまりにもその概念が浸透しすぎてい、全く衝撃的などではない。
ニューロマンサーの解説で山岸真が
終盤で、ケイスがモリイの視覚をとおして自分の姿をみるシーンは、ちょっと衝撃的だ
と述べているが、僕にはどこが衝撃的なのか全然わからん。
あまりにもヴァーチャル・リアリティという概念に慣れすぎて、驚きも何もない、普通な事としてしか認識できないのかもしれない。
この短編集に収録されている作品にしてもそうで、読んでいてアイディアの面白さ、というよりはその見せ方の面白さのほうが強かった。
特に面白かったのは、
「ドッグファイト」(ギブスンの短編の中でもベスト3に入るぐらいに好き)
「ヴァーチャルな死へのガイド」(筒井康隆にも通ずるナンセンスさ)
「幸福な男」(これからマトリックスがパクったのかな?仮想空間のアイディアが全く一緒)
かな。
それと、この本とは全く関係ないけど「ニール・スティーヴンスン」をちょっと編集してみました。
☆☆☆