マイク・レズニック-一角獣をさがせ!

一角獣をさがせ! (ハヤカワ文庫FT)

うだつのあがらない私立探偵のマロリーは、大晦日の夜、ひとり寂しく酒を飲んでいた。すると緑色の妖精が出現して、盗まれた一角獣を探してほしいという。すべてはアルコールの幻覚症状かと思われたが、どうやら妖精はほんとうに目の前にいるらしい。現実の世界になんの未練もないマロリーは妖精に案内されて異次元のマンハッタンへと旅立つが…。ハードボイルド、ファンタジイ、RPGの要素がブレンドされた異色作。

マイク・レズニック
何故だかずいぶん前からマイク・レズニックとマイクル・ビショップがごっちゃになっていたので、こういう作風の人だったのかと感心することしきりでした。イアン・マクドナルドイアン・バンクスイアン・ワトスンがごっちゃになるのなら兎も角、なんでこの二人がごっちゃになってたのやら。


内容はファンタジー版「重力が衰えるとき」とでも言ったもの。ただファンタジー+ハードボイルド+大晦日というアレンジのせいかハードボイルド色は抑え目で、東京ゴッドファーザーズみたいな「大晦日に起こったちょっといい話」っぽくなってます。テーマの部分はかなり似通っていて、主人公・マロリーと悪魔の問答なんかはユーモアで薄まっているものの「重力が衰えるとき」のマリードの独白に通じるものがある。
ヴァラエティに富んだ付録も楽しい。
☆☆☆☆