酒見賢一-陋巷に在り

陋巷に在り〈1〉儒の巻 (新潮文庫)

聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった…息づまる呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ、大胆な発想で謎に包まれた孔子の生涯を描く壮大な歴史長編、第一部。

陋巷に在り」全13巻を読了。三桓家・孔子と陽虎との抗争から孔子の出魯までの孔子顔回の物語。
最近になって酒見賢一を知り、「後宮小説」「墨攻」「泣き虫弱虫諸葛孔明」と読んできたんだけれど今のところハズレ無し。めちゃくちゃ面白かった。
特に成兵の尼丘山侵攻を描く11〜12巻がこの物語の白眉といっていいだろう。とにかく面白い。
11巻はおまけも最高で、「泣き虫弱虫諸葛孔明」の”孔明よ、お前にワイドスクリーン・バロックを教えてやる”以来の衝撃を受けた。爆笑。


常に受身であった顔回が自ら走り出すラストシーンも見事。
☆☆☆☆☆