スミソニアン・ミステリ

スミソン氏の遺骨 (創元推理文庫)  インド展の憂鬱 (創元推理文庫)
前に読んだリチャード・T・コンロイの「一寸の虫にも死者の魂」が面白かったんで、「スミソン氏の遺骨」と「インド展の憂鬱」を読む。


「一寸の虫にも死者の魂」はワシントン市民がヌーディストへと変貌し真っ裸であられもないところをおっぴろげ状態になり、その元凶のとある少数民族はむかついたヤツに小便ひっかけたりギャンブル船で金を巻き上げられたり、火事が起きたり殺人が起きたり主人公のヘンリーは所かまわず性的妄想に耽ったりと普通のミステリとはかけ離れたお馬鹿スラップスティック・ミステリだったのですが、「スミソン氏の遺骨」「インド展の憂鬱」はそれに比べるとまともな感じ。
どっちもドタバタというよりはミステリとしての体裁を保っているからだろろうか。
特に「スミソン氏の遺骨」はちゃんとしたミステリ。だが「インド展の憂鬱」はスミソニアン女性職員がインドに赴き、オリエンタリズムに満ち溢れた体位・性技に挑戦したりドラッグをしこたまきめたり世界で一番偉いチンコことシヴァ神の偶像にあれこれしたりとやっぱりお馬鹿。


これを元外交官が書いているのかと思うと何故だか嬉しい。
いい意味でこの人は馬鹿すぎるぞ。