ルーディ・ラッカー-ホワイトライト

ホワイト・ライト (ハヤカワ文庫SF)

いつもどおり、研究室で心地よい昼寝を楽しんでいた数学者のぼくに驚愕すべきことが起こった。なんと、無意識に幽体離脱をやってしまったのだ!肉体を離れて意識だけになったぼくは、一冊の案内書に導かれ、ヒルベルト空間を―。数学の概念が文字どおり実体化した奇妙奇天烈な世界を目指した…。"無限"の実像を探求するため。鬼才の名に値する真の鬼才が怒涛のアイデアでSFと数学の極北を探求する超絶マッドSF。

傑作馬鹿超絶マッドSF。
他の作家がこれと同じ題材・着想で小説を書いてもここまでは面白くならないでしょう。
本職の数学者で原子力発電所付近の海でキチガイがカオス理論を応用したサーフボードで波乗りしたら神様ってサーファーだったのねうおやべえ波がでかい原発ヤバイ波でヤバイなんて馬鹿SFを書いてたルーディ・ラッカー以外にはこんな小説はかけません。
"選択公理"、"公理的集合論"、"連続体仮説"なんて単語を知ってる人は今すぐこの小説を読みましょう。
そうでない人も読みましょう。数学3Cの時点で数式を見るとゲシュタルト崩壊し始めるようになったこの僕が楽しめたんだから間違いない。


中盤の主人公とゴキブリのぶらり無限旅とラッカーの教師生活が垣間見える描写には笑いまくったなあ。
☆☆☆☆☆