神林長平-鏡像の敵

鏡像の敵 (短篇集 ハヤカワ文庫 JA (810))
短編集。神林長平らしい認識論が繰り広げられる短編からお馬鹿な短編まで収録されています。
ただ神林初心者向けの短編集ではないですね。初心者は「敵は海賊」や「銭湯妖精・雪風」から入るのが妥当なところでしょうか。


特に面白かったのは「兎の夢」。「帝王の殻」の原型となったであろう短編でPAB(Personal Artificial Brain)が重要な役割を担っています。
認識論やそれから生ずる自己の葛藤、現実感の喪失を描くガジェットとしてPABってのはすごいアイディアだと思う。
☆☆☆☆