尾辻克彦・赤瀬川原平-東京路上探検記

東京路上探険記 (新潮文庫)
ウィリアム・ギブスンの「ヴァーチャル・ライト」を読んで以来、ずっと赤瀬川原平の本を読もう読もうと思ってたんで読む。
肝心の超芸術トマソン(つーかこれを知ってるギブスンってすごい。ガンヘッドといい何か方向性を間違ってる日本オタクだ)に関する話も入ってて満足。


読んでて感じたのは赤瀬川原平のイマジネーションのすごさ。トマソンに関してもそうだけど、日常の些細な事柄から物語を発見するのが非常に上手い。
この本の中では、新聞の三行広告についての話と皇居とブラックホールを重ね合わせるくだりが白眉。
引用してみよう。

銀河系の中心に巨大ブラックホールがあるという考え方は、いまでは正論になりつつある。
(中略)
光が巨大天体によって進路を曲げられてしまうように、東京の地下鉄路線は渦巻きの中心点にある皇居の存在によって進路を曲げられている。
上空を飛ぶ飛行機もまた、その存在を受けて航路が曲がり、そこを直進することができないでいる。

思わず目から鱗がポロリ。