ルーディ・ラッカー-フリーウェア

フリーウェア (ハヤカワ文庫SF)

時は2053年。地球では、知性をもち、身体の形態を自由に変える能力を具えた人工生命体モールディが、市民権を得て、人間と共存している。サンタクルーズのモーテルで働くモニクも、この新しい種族のひとり。ところがある日、彼女はモールディ好きの変態に誘拐されてしまった!しかもこの事件は、人間とモールディの関係を揺るがすとんでもない大騒動に発展していくことに…『ソフトウェア』にはじまるシリーズ第三弾。

これはすごい。翻訳されてるウェアシリーズの中では一番の面白さ。
前半〜中盤はいつものルーディ・ラッカーって感じなのだが、後半は怒涛の展開で度肝を抜かれた。充填方程式プログラムこと<天国への階段>によって宇宙線に姿を変えているエイリアンの人格粒子を巨大モールディが受信しガードル復調したら、それが太陽黒点で構成された未熟なエイリアンでさあ大変というものすんごい力技を見せてくれる。そこからはもう人間やらモールディやら2D時間ヒューマノイドやら多種多様なエイリアンやらが入り乱れての大混戦。
まさにルーディ・ラッカーが言うところのgnarl。りんりんでナミナミ。
このまますべてがカオスに飲み込まれちまうのかと思ったら、最後は思いがけずすっきりした終わり方でまた吃驚。
Real Wareも読みたいぞー!
☆☆☆☆☆