トーマス・M・ディッシュ-虚像のエコー

虚像のエコー (ハヤカワ文庫 SF 370)

ハンサート大尉は「六週間後に火星の全核爆弾を敵に向け発射せよ」との秘密書類を抱えて物質転移機で地球から火星へジャンプ。だが、大尉がジャンプした正にその時、もう一人のハンサートが出現!火星に着いた彼と地球に残された「こだま」の彼・・・。この〈エコー効果〉によって生じた複製は、同様の複製としか接触できない。しかも地球を破滅から救う鍵を握っているのは、この虚像となったハンサートだった!転移機の生み出した虚像と実像の錯綜する戦慄の世界!

「人類皆殺し」とか最近だと「アジアの岸辺」で有名なトーマス・M・ディッシュを始めて読む。
白人が黒人を「黒人だから」ぶっ殺してぐちゃぐちゃ食ってたりする描写があって「あー黒人差別って本当にあるんだなー」と思った。
そういや黒人のSF作家ってあんまり知らないな。サミュエル・R・ディレイニーぐらいなもんか?エフィンジャーは違うし。


閑話休題


「虚像のエコー」はあらすじだけ見ると「敵は海賊海賊版」みたいな話のようだが、実際はワイドスクリーン・バロック的な壮大なほら話。
話を終わらせるためのご都合主義っぽい展開が目に付くが、全体的には面白いかな。
一番びっくりしたのは値段。280円って。

☆☆☆